(健康情報)春に感じる心の不調に気をつけよう―前編―
春は新生活が始まる季節。環境の変化に不安を感じたり、頑張りすぎたりして起きるこころの不調に無理は禁物。疲れを感じたら休息を取りましょう。環境が変わることの多い春によく見られる心の不調に、「うつ病」や「適応障害」、「自律神経失調症状」などがあります。
・うつ病
何も楽しめない、好きだったことに対しても興味や関心がなくなるなどの変化のほか、頭痛やめまい、吐き気などさまざまな身体的症状が現れることがあります。本人の性格の傾向が大きく関わっており、真面目、几帳面、仕事熱心、完璧主義といった性格の人がかかりやすいとされています。また、中高年に多く、男性より女性の割合が高くなっています。治療には十分な休息に加え、個々のケースに合わせて抗うつ薬などの薬物療法を行います。
・適応障害
職場の人間関係や、過重労働、環境の変化、事故や病気など、何らかのストレスをきっかけに、憂うつ感や不安感、不眠などの症状が現れるものです。ストレスの原因となる環境や物事から離れることで軽快することもあり、状態によって対症療法を行います。
・自律神経失調症
交感神経と副交感神経がバランスよく働かなくなった状態をいい、頭痛やめまい、耳鳴り、吐き気、下痢などの症状が現れることもあります。生活の乱れから起きることが多いため、規則正しい生活を送れるよう指導を行い、必要な場合は対症療法を行います。
【出典】
となみの心療クリニック(砺波市栄町)
金田 学 院長
出典:月刊情報誌Takt(2020年4月号)「Takt Clinic」