(健康情報)慢性的な睡眠不足や、日中の眠気を予防しよう ―前編―
仕事や会議をしているとき、本を読んでいるとき、助手席に座っているときなど、とにかく眠くて仕方ない。そんな日中の眠気はもしかして「過眠症」かも?
1.眠気の原因は病気?それとも睡眠不足?
過眠症は睡眠障害の一種で、そのなかでも①ナルコレプシー、②特発性過眠症、③睡眠不足症候群の3つに大きく分類することができます。
①ナルコレプシー
時間、場所、自分の意思などに関係なく、ひどい眠気に襲われます。10~20分ほど眠ればすっきりと目覚めますが、またしばらくすると眠ってしまうことが1日に何度も繰り返されます。寝入りばなに、金縛りにあったり人の声や気配を感じたり、耳鳴りがすることも。笑いや喜び、怒りなど感情の動きによって突然ひざや腰の力が抜けたり、倒れたりすることもあります。
②特発性過眠症
日中に過度な眠気が起こりますが、我慢できる場合もあります。1時間以上うたた寝して目覚めても、頭がぼんやりした状態が続きます。頭痛、立ちくらみ、手足の冷感など自律神経症状を伴うことも。ナルコレプシーのように、感情による脱力は起こりません。
③睡眠不足症候群
日中に活動するために必要な睡眠時間が、慢性的に不足していることで起こります。とくに思春期から20代に多く見られ、居眠りが症状として現れます。自分では睡眠不足を自覚していない場合も多く、生活リズムの改善や適度な昼寝などで症状を改善することができます。
このように、症状はいずれも日中に起こる強い眠気ですが、その原因はさまざまです。なかには、仕事中や勉強中などに頻繁に睡魔に襲われているものの、周りにはただの居眠りや「たるんでいる」「怠けている」と誤解され、病気であるということを自覚していない人もいるかもしれません。
しかし、日常生活に支障をきたすほどの症状であれば、病的な原因を考える必要があります。ただ、過眠症の問診や検査を行うと、睡眠不足症候群である人が多いのも事実。日中の眠気に悩まされている人は、案外生活リズムの乱れが原因になっている確率も高いのです。
≫後編に続く
【出典】
教えてくれたのは…
竹内スリープメンタルクリニック(富山市弥生町)
竹内正志 院長
出典:月刊情報誌Takt(2016年5月号)「Takt Clinic」