(健康情報)免疫力を高めて、感染症から身を守ろう! ―後編―
前編では、免疫力と大きく関わる自律神経のバランスについてご紹介しました。では、実際に生活の中で、どのような点を気を付ければいいのか? 後編では、免疫力を高める生活習慣についてご紹介します。
3.免疫力アップのカギを握るのは、腸管!
消化をつかさどる腸管には、体内の免疫細胞の7割が集中しています。とくに小腸は、入ってきた食物や物質が吸収して良いものかを見極めてくれるほか、体内にできたがん細胞をたたく力「腸管免疫」が活発に働いています。腸管免疫を高めるには、腸内細菌の状態を良くすることが鍵になります。
腸内には100兆個もの細菌が「腸内フローラ」と呼ばれる集団を作って住んでいます。腸内フローラは、身体に良い影響を与える善玉菌(乳酸菌やビフィズス菌、ラクトバチラス菌など)と、悪い影響を与える悪玉菌(大腸菌、ウエルシュ菌、クロストリジウム菌など)に大別されますが、腸内細菌のバランスは年齢とともに衰えていくので、日頃から善玉菌が多い状態に整えておくことが大事です。
4.免疫力をアップさせる生活習慣
免疫力を高めるには、日常生活と食事、腸内環境を正しく整えることがポイント。
自律神経のバランスを整えるには、軽い運動をしたり、ゆっくり入浴する、声を出してよく笑うなど、上手にストレスを発散することが大切です。また、朝食を欠かさず食べたり、こまめに適度な水分を摂るなど、便秘を予防しましょう。
さらに、食事の時間を一定に保つなど、正しい食生活を心がけましょう。食材は、腸内環境を整える発酵食品(納豆、チーズ、味噌など)、身体の血行を良くする食品(ショウガ、ニンニク、ニンジンなど)、便通を良くする食物繊維を含む食品(キノコ類、海藻など)、身体を元気にするビタミンを含む食品(ブロッコリー、カボチャなど)がおすすめです。
とはいえ、頑張りすぎてストレスを溜めてしまっては本末転倒。できることから少しずつ始めましょう。
【出典】
教えてくれたのは…
江尻内科医院(富山市布瀬町南)
江尻みずほ院長
出典:月刊情報誌Takt(2015年11月号)「Takt Beauty」