(健康情報)新型コロナウイルスワクチン接種―前編―
市町村など自治体ごとに進められている新型コロナウイルスのワクチン接種。発症予防効果が高いとされるワクチン接種についてご紹介します。
・2回接種で90%以上の高い発症予防効果
現在接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンは、2回接種することによって90%以上の高い発症予防効果があると報告されており、重症化を防いだり、発熱や咳などの症状の出現(発症)を抑えたりするのに加え、感染そのものを予防する効果も期待されています。発症予防効果が30〜60%とされているインフルエンザウイルスのワクチンと比べて効果が高く、ワクチン接種によって重症者や死亡者の減少が期待できます。従来と異なる技術を用いて開発・製造されたmRNA(メッセンジャーRNA)という遺伝子ワクチンで、ウイルスのスパイクタンパク質の設計図となるmRNAを投与するものです。主流となっているファイザー社製のワクチンは、1回目の接種から3週間後(モデルナ社製は4週間後)に2回目を接種し、2回目接種から約2週間後に90%以上の効果が得られるとされています。
・ワクチン接種率60〜70%で収束への期待も
ワクチン接種はスピードが重要です。時間の経過とともに感染がどんどん広がって、変異ウイルスも増えてしまうためです。ワクチンの効果は検証中ですが、現時点で変異ウイルスにも有効であり、その効果は9ヵ月から1年程度持続するのではないかと期待されています。また、60〜70%の人がワクチン接種を終えることで、感染者は減少し、接種が進む海外の例からもわかるようにウイルスをかなり抑え込めるだろうと見られています。
≫後編へ続く
【出典】
医療法人 弘仁会 魚津緑ヶ丘病院(魚津市)
理事長兼院長 鳴河 宗聡 先生
出典:月刊情報誌Takt(2021年8月号)「Takt Clinic」