(健康情報)新型コロナウイルスワクチン接種―後編―

前編では、新型コロナウイルスワクチンの高い発症予防効果について説明しました。後編は接種時の注意点や副反応についてお伝えします。

・副反応は2回目の方が強く出る

 ワクチンの副反応は、接種部位の痛み、筋肉痛、だるさ、頭痛、発熱などです。痛みで腕が上がらない、38度以上の熱が1、2日続くなどの例もあります。他のワクチンと比べ副反応の頻度は高く、2回目の方が強く出ます。これは1回目の接種で免疫ができたためです。ただし、副反応が出ないからといって免疫ができていないわけではありません。副反応は、高齢者は出にくく、アレルギー反応は女性に出やすいことがわかっています。mRNAワクチンはポリエチレングリコール(PEG)という脂質でコーティングされています。PEGは化粧品や医薬品に含まれることが多く、化粧品を使う機会が多い女性にアレルギー反応が現れる割合が高いといわれています。

・接種時は体調を整えておきましょう

ワクチン接種は副反応のデメリットより、予防効果のメリットの方が大きいと考えられます。食べ物やペットなどのアレルギーがあっても接種は可能です。ただし、ワクチンの成分でアナフィラキシーなどの重度の過敏症状を起こしたことがある場合などは接種できません。接種時は十分に睡眠をとり、体調を整えておきましょう。

■接種できないのはどんなとき?

[当日の発熱]

接種当日に37.5℃以上の熱がある。

[重い急性疾患]

ひどい風邪や胃腸炎など、急性疾患の強い症状がある。

[2週間以内に他のワクチンを接種]

インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど、他のワクチンを2週間以内に接種した。

[ワクチンの成分に対する重度の過敏症状]

過去にワクチンの成分に対して、じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさといった呼吸器症状などのアナフィラキシーなどの重度のアレルギー反応が起きた。

[1回目の接種後に強いアナフィラキシーが起きた]

1回目の接種後にじんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさといった呼吸器症状などの重度のアレルギー反応が起きた。

■こんなときは接種できる?

[アレルギー、花粉症]

食べ物・ペット・ハウスダストのアレルギー、花粉症などでも接種可能。ワクチンの成分に関係のないものに対するアレルギーは接種可能。重いアレルギーで医療機関にかかっている場合は、事前に相談を。

[基礎疾患]

接種可能。基礎疾患があると感染した際に重症化するリスクが高い。

[妊娠中]

医師に相談の上、接種可能。妊娠中の感染は重症化のリスクあり。

[授乳中]

接種可能。海外でも接種の対象。

★不安な場合は、かかりつけ医に相談を。

【出典】

教えてくれたのは…

医療法人 弘仁会 魚津緑ヶ丘病院(魚津市)

理事長兼院長 鳴河 宗聡 先生

出典:月刊情報誌Takt(2021年8月号)「Takt Clinic」

https://takt-toyama.net/