労働者の負担を軽減。介護業界におけるロボットやICT機器の活用

介護の仕事は「やりがいはあるが、身体的な負担が大きな仕事」というイメージが強く、常に人手不足に悩んできました。介護業界の人手不足を解消するため、現在はロボットやICT機器の活用が進められています。この記事では、介護業界におけるロボットやICTの活用について解説します。

労働者の負担を軽減する介護ロボットの導入

介護の仕事をしていると、腰をはじめとして体に大きな負担がかかります。特に、重度の心身介護は若い男性でもつらい仕事のため、職員の離職率が高く人手不足の原因となっていました。そこで、移動用リフトや起き上がり補助装置を使うことにより、労働者の負担を軽減しようという動きが出ています。介護用ロボットというと人型のロボットが人間の代わりに介護全般を担うイメージがありますが、身体負担を軽減する補助器具も立派なロボットです。

見守りロボットで介護職員の負担軽減

介護の仕事の内、地味だけれど負担が多いのが見守りと高齢者の付き添いです。特に認知症の患者は施設からの脱走、行方不明になるリスクを常に抱えています。また、職員と高齢者が密着しすぎるとコロナに感染するリスクもアップするでしょう。それを解消するために、見守りロボットの導入も進められています。あらかじめ登録した高齢者を認識すると声をかけ、スタッフルームに報告するロボットや、ロボットを通して職員と高齢者がコミュニケーションを取れるシステムなどはすでに実用化されました。ロボットと職員で仕事を分け合えることができれば、職員の負担軽減に繋がります。

ICT機器の活用ICT機器の活用

ICT機器とは、情報通信技術の総称です。デジタルカメラやタブレット、AIなどが該当します。たとえば、ロボットの導入は無理でも見守りセンサーの導入は可能という施設もあるでしょう。また、介護の記録を電子化することにより効率化することができます。このほか、介護プランをAIにある程度まで任せることができれば、ケアマネージャーの負担も軽減できます。

ITが介護を楽にする

介護や看護の分野はどうしても人手が必要な仕事というイメージがありますが、IT技術の向上により、ロボットと業務が分担できるようになりました。また、ICT機器を活用すれば、業務の大幅な効率化が可能です。就業環境が改善すれば、多くの施設が頭を悩ませている、職員の早期離職問題も解決の糸口が見えることでしょう。